2014-01-01から1年間の記事一覧

国語教授の目的論―明治38年と大正6年の差異―

明治から大正にかけて国語科教育は変化した。西尾実によれば, ・第1期(明治初年〜明治末年) :語学教育的教授法期 ・第2期(大正初年〜昭和10年頃):文学教育的教材研究期 ・第3期(昭和11,12〜頃) :言語教育的学習指導期 と変化している。ここでは,…

湯原元一(1921)「教育對文藝の争闘」

教育と道徳の対立 文藝はそもそも道徳と対立するものだった。湯原は,教育者の中で文藝を自主的に研究し正当に批評し得る人はいないとしながら,文藝とはそもそも反道徳的であると断言する。湯原の見た文藝の特徴を,以下3点にまとめる。 1. 文藝思想の生命…

文学の教育的価値

高橋一郎『明治期における「小説」イメ-ジの転換--俗悪メディアから教育的メディアへ』 http://ci.nii.ac.jp/naid/40001546992 教育の敵としての小説 「小説あるいは文学は,どのように教育的なのか」。このような問いを発した時点で,私は小説のある種の教…